谷桃子バレエ団「海賊」全幕 2015年3月21日(土祝)-22日(日)東京文化会館大ホール









STAFF
総監督:谷桃子
芸術監督:齊藤拓
監修:イリーナ・コルパコワ /Irina Kolpakova
音楽:アドルフ・アダン/ Adolphe Adam  レオ・ドリーブ/ Leo Delibes
    リカルド・ドリゴ/ Ricardo Drigo  オルデンブルク公爵/ Prince Oldenburg
    ユージン・コーンブリット/ Eugene Cornblit  ピーター・シェンク/ Peter Shenk
原振付:マリウス・プティパ/Marius Petipa
脚本・演出・振付:エルダー・アリエフ /Eldar Aliev
バレエミストレス:髙部尚子  大塚礼子  日原永美子
バレエマスター:中武啓吾
舞台美術デザイン:シモン・パストゥフ /Simon Pastukh
衣裳デザイン:ガリナ・ソロヴィヨワ /Galina Solovyeva
照明:足立恒(インプレッション)
舞台装置・衣裳・小道具製作:ヴォズロジジェーニ社 /
the theatrical shop Vozrozhdenie in St.Petersburg
装置衣裳レンタル:シアトリカル・レンタルズLLC /Theatrical rentals, LLC
衣裳製作:大井昌子
大道具:(有)ユニ・ワークショップ
音響:矢野幸正(アートスタジオY’s)
舞台監督:福島章
指揮:河合尚市
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

主催:一般財団法人谷桃子バレエ団
企画:赤城圭
制作:谷桃子バレエ団制作部
制作協力:PROMAX dbi. inc
photo:羽田哲也


 あらゆる舞台芸術がそうであるように、バレエもまた常に進化する芸術です。バレエに詳しい方達は、『海賊』がマリウス・プティパの古典バレエとみなされている一方で、この人気作品には、版が一つしかないわけではない事をすでにご存じのことと思います。
 バイロンの詩『海賊』が1814年に出版された直後からバレエ作品が上演され、1856年にアドルフ・アダン作曲の音楽が登場してからは、ジュール・ペロー、マリウス・プティパらの振り付けでパリ・オペラ座、ロシアで上演され成功を収めました。その後、長い年月の間にその他の作曲家や振付家が『海賊』をさらに変化させていきましたが、おそらく最も大きな変更のひとつはルドルフ・ヌレエフによるものでしょう。彼はコンラッドの役を、よりアスレティックでエネルギッシュなものに変え、プティパ作品よりも自身のダンススタイルによりふさわしいものにしました。
キーロフ・バレエ団は原点に忠実な作品に、一方アメリカンバレエシアターは古典を意図的にパロディー化した楽しい作品になっています。
エルダー・アリエフ版は、この作品を現代的にするために、さらに新たな解釈のアプローチをとり米国の観客から賞賛を受けるに至りました。まず、以前は複雑で入り組んでいた物語の流れをよりまとまりのある包括的な筋に作り変え、次にプティパの振付の最良の部分をそのままにしつつ、ヌレエフ版の第2幕第2場のメドーラとの『パ・ド・ドゥ』パッセージにおいて、コンラッドが強く、活発でエネルギッシュなダンサーであるという点を踏襲しています。今回谷桃子バレエ団はこの版に取り組みます。
  『奴隷のパ・ド・ドゥ』ではプティパの素晴らしいオリジナル振付が忠実に取り入れられ、表現豊かな演技とクラシックの確実なテクニックが要求されます。他にも、美しい女性ダンサーによるシンクロした動き、常に移動するフロアパターンとエネルギッシュでいて常になめらかな動きが求められる『ジャルダン・アニメ(夢の花園)』、キーロフ・バレエが上演したものから高度に発展し、最上のテクニックとスタミナが必要な第2幕第1場の『オダリスク組曲』など、見どころ満載のエルダー・アリエフ版。
 プティパが自身の引退公演で、コンラッドを選ぶほど愛したこの作品。谷桃子バレエ団がキャスト個々の芸術性、定評ある演技力を存分に生かし、満を持してエルダー・アリエフ版「海賊」をお届けします。

エルダー・アリエフ氏演出ノートより






主催・お問合せ:谷桃子バレエ団 03-3717-7806